折々の記 23

水気と睡眠

    『腎臓の数値が良くないので水をよく飲みましょう』 と医者に言われてペットボトルのお茶を日に3 本は飲むようにしています。おかげで数値は改善しましたが、今度は夜中に何度もトイレに起きるようになって睡眠不足になったうえ寝つきも悪くなりました。
   体の水分率は幼児が 80 %と高く成人は60 %、老人にいたっては 50 %という少なさです。人は年齢ともに水分を保つことができなくなります。
   体のなかで細胞は糖と水からエネルギーをつくるので、水が足りなくなるとエネルギーがつくれません。エネルギーが足りないと動かなくなるので筋肉がおとろえます。 筋肉の8 割は水でできているため、これが衰えるとさらに体の水分は減ってしまいます。 この負の連鎖によって年とともに水気がなくなり枯れていくのです。

    そのためお茶を飲むようにしたのですが、所詮、体に蓄えられる水分には限りがあって余った水は夜中に放出されはじめたのです。これを別の病院で話したらすぐに検査してくれて膀胱に大きな石が二つもあるのが見つかりました。石はうずらの卵ほどの大きさで膀胱が手狭になってトイレが近くなったらしい。夜間の頻尿は物理的な要因によるものでした。
     『石がここまで育つにはかなりの年月がかかっているはず。気づかなかったのですか。』 と医者はあきれたように話します。石はシュウ酸カルシウムなのでサトイモのエグ味成分を固めたようなもの。人としてエグ味はないと思っていましたが、まさか結石になって溜まっていたとは意外でした。早々に細かく割って取り除いてもらったほか、ガンも見つかって除去できたのはラッキーでした。
   おかげで熟睡できるようになりましたが、年ともに水気がなくなる負の連鎖からは脱しきれないでいます。